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新田委員長 理事者の説明は、2月23日の委員会で聴取しておりますので、直ちに総務部及び
人事委員会関係の質疑、質問を開始いたします。
鏡原委員 1点質問をさせていただければと思います。
職員の
スキルアップ研修についてお伺いいたします。
今後、
少子高齢化の進行に伴う
生産年齢人口の減少を踏まえますと、
地方自治体においても限られた人材を最大限に生かして
課題解決に取り組む必要性があります。そのためにも、
地方自治体の担い手の
人材育成の持つ意味は一層重要なものになり、広い見識と高い能力を持った職員を育成することが求められていると考えます。
県においては、職員の
能力向上のために様々な
職員研修を実施していると思いますが、現在、職員に対する研修はどのような体系で行われているのか、また、今年度における
実施状況と受講状況についてお伺いをいたします。
また、各職員が自身の
能力向上に努めることも重要でありまして、せっかく研修の機会が設けられているのであれば、様々な
職員研修のメニューの中から、職員各自が自分の知識、能力を向上させるために有意義と思える研修を機会を捉えて多く受講することが望ましいと考えます。ただ、職員数の減少や業務の増加などで職場を離れにくい環境もあるかと考えます。
そこで、研修の
募集定員に対する
受講者数の割合についてお伺いするとともに、
研修受講を希望する職員が受講しやすい
環境づくりについて、どのように行っているのか、お伺いをさせていただきます。
中濱人事・
行革課長 県では、平成21年3月に策定し、平成31年3月に改正しておりますけれども、
人材育成方針に基づき、職員一人一人が意欲を持って能力を発揮できる
環境整備を進め、計画的に
人材育成に取り組んでいるところです。
職員研修には主に、
集合研修で学ぶ
人材育成センター研修、職務に役立つ
資格取得支援等を行う
自己啓発研修、国や他の
地方自治体等に派遣する
派遣研修等があり、このうち
人材育成センター研修は、職場では得難い知識や技能を体系的、集中的に学ぶ場として重要な役割を担っているものです。
人材育成センター研修の主な内容として、各階層の職責を果たすための
基礎的知識、技術等を習得するために、各階層に任用された職員等を対象に実施する
一般研修、
階層別研修とも言っておりますけれども、また、職員の能力の向上や意欲、特性を伸ばすために、希望者を対象に実施する
特別研修を実施しております。
なお、この
特別研修ですけれども、県内の市町にも案内し、
市町職員も受講できるようにしており、県職員と
市町職員が同じ研修の受講を通じてお互いの交流を図る機会にもなっております。
令和3年度の
実施状況についてですけれども、
一般研修は13の階層等で実施し、
受講者数は1,035人となっております。また、
特別研修は42の講座を実施し、874人の
県職員等が受講しております。
募集定員に対する
受講者数の割合についてですけれども、定員を設けて実施している
特別研修になりますが、定員969人に対し909人の受講を決定しており、定員に対する割合は93.8%となっております。
また、職員が研修を受講しやすい
環境づくりについてですけれども、
受講者数が少ない講座を見直すなどの講座の充実を図る、定員を超えた受入れについて柔軟に対応する、定員に空きが残っている場合には再度の募集を案内する、また、各自の職場などから受講が可能な
オンライン会議システムを活用した研修や、各自の可能な時間に受講できる
動画視聴型研修も実施しております。このようなことに取り組んでいるところですけれども、引き続きより一層希望者が受講しやすい
環境整備を整えていきたいと考えております。
鏡原委員 今、
特別研修に関しては93.8%という話でしたけれども、これは市町の職員も入れた数で、そのトータルの人数という話ですよね。結局、県庁の職員でいくと、市町の職員とどれぐらいの比率になっているのかということと、職員数に対して、もちろん割合的に言うと93.8%で高いんですけれども、そもそもの受皿が969人というところが、そもそも県の求める、これぐらいの人には受講してほしいというようなところにそもそもその数が達しているのかどうか、そこら辺はどう考えられていますか。
中濱人事・
行革課長 基本的に定員は県と市町の
職員半々にしておりますので、手元に数字がないんですけれども、恐らく同じぐらいの
希望者数になっているのではないかと思います。
あと、1年間の受講する
特別研修の人数ですけれども、6月から12月ぐらいまで実施しておりますけれども、その期間に1日だったり2日だったりの
特別研修になりますが、準備の関係もあって週に1講座ぐらいが限界でありまして、42講座で大体の講座が1講座40人の定員でやっておりまして、適切な規模で実施できているのではないかとは考えております。
鏡原委員 聞いたこととずれているんですが、その教室が40人入るのか、50人入るのかということを言っているのではなくて、そもそもできる、できないでなくて、県庁の職員の
スキルアップを考えたときに、今で言うと約400人から500人の枠ですよね。それが本来、人事・行革課として職員の質を向上するために求めているパイなんですかっていうことを私は聞いているんですが、そこら辺で併せて言うなら、ちょっとお聞きしているのですけれども、それぞれの
一般研修に対してもそれぞれ
特別研修を取りなさいという部分もあったりすると聞いているんですが、そこを踏まえれば、じゃあ果たして
一体自分たちから希望してこの研修を受けようとした人がどれぐらいいるのかというところは把握されていますか。
椋田総務部長 先ほどの
特別研修の中で、県職員とその他の
市町職員も含めての募集の形ですけれども、実際、県職員のほうが多数になっておりまして、その他の枠のほうで
市町職員等も含めて受けていただいているような状況です。
特別研修ですけれども、
一般研修、全ての
階層ごとに行われている研修とは違いまして、御自身が当然手を挙げていただいて、これを学びたいという形で来ていただくものですので、そういう意味では、御本人の希望にのっとって研修を受けていただいて、
スキルアップを図っていただいていると考えております。
鏡原委員 そういうことなんですね。ちらっと事前にお伺いした話では、
一般研修を受けるに当たって幾つかの
特別研修を受けなさいというか、取ってくださいっていうようなお話もあるやに聞いたんですけれども、そういう話ではないということですか。
椋田総務部長 そういう意味では、確かに
階層ごとに求められているものとしてこういった
特別研修も取ってくださいというのもあるんですけれども、それは確かに選択制にもなっておりますので、その方が受けたいと思っているもの、幾つかあるものの、例えばある階層のところであればこういった研修も併せて取ってくださいよ、それがその階層に求められるスキルですよという形にはなっておりますので、そういった意味では範囲はあるんですけれども、選んで来ていただいていると思っております。
鏡原委員 分かりました。選んでというか、選ばざるを得ない状況で選んでいるということですよね。私が言いたいのはそういうことです。じゃあ、それを受けなかったらその研修をしているのか、してないのかというところを担当課としては見ていく必要性があります。だから、その辺を、先ほどの答弁にもありましたが、受けていただきやすいとか、そういう魅力のあるような受けるべき研修というのをつくっていく必要性があるし、もっといろいろな意見もあるとは思うんですけれども、職員の質という部分とか、県民に対するそういった職員の質を上げての
アプローチという部分も非常にこれから、冒頭言いましたように、重要になってくるので、ぜひその辺は受皿を含めてきちっと、本当に受けてもらわないといけないものは皆さんに受けてもらっているとは思うんですけれども、ぜひみんなからもっと枠を増やしてほしいと言ってもらえるような研修をつくっていただきたいなと思います。
研修自体はそうですけれども、途中説明でもありましたけれども、市町の職員との連携の部分です。住民のニーズが多様化していく中で、
行政課題が高度化とか複雑化する中で、
課題解決に向けて職員一人一人の
能力向上が求められるとともに、県と市町の連携というのは非常に重要になってくると考えております。先日も政策部のほうでも市町の連携の質問をさせていただきましたけれども、そういった部分で重要になってくると思います。
特別研修においては、先ほどありましたとおり、県と市町の職員が合同で研修をしており、お互いの交流を図れる機会となっているとも課長から答弁がありました。こうした研修の機会を通じて、職員の能力の向上だけではなく、
県内自治体間の連携を促進する取組が必要ではないかと考えています。今後、そうしたことも踏まえてどのようにその点について取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
椋田総務部長 委員御指摘のとおり、職員一人一人の
能力向上だけではなくて、県と市町の連携に向けて取組を行っていくということは非常に重要であると考えております。このため、令和4年度から新たに
特別研修の中で、自治体を取り巻く様々な
地域課題について現状分析や
調査研究を行いまして、参加する
自治体職員の
政策形成能力の向上を図るとともに、
県内自治体の連携を促進することを目的といたしました
自治体職員政策研究というものを実施する予定としております。この研究につきましては、これまで県職員の
政策形成能力向上を図るために実施してきておりました
職員政策研究につきまして、これをちょっとリニューアルいたしまして、新たに外部講師による専門的な指導を受けられるようにするとともに、市町の職員と共同で
調査研究を行うといった内容を予定しております。
具体的に申し上げますと、県職員と市町等の職員でグループを編成いたしまして、7月から9月にかけて講義や
グループワークのほかに県内外の先進事例を実践的に学ぶ
フィールドワークなどを行いまして、これを計10回ほど行って、最終日にはその自治体の
関係職員にプレゼンテーションも行ってもらう、こういった内容を予定しているところです。
この研修によりまして、
地域課題の解決のための
政策形成能力の向上が図られるとともに、
参加自治体職員同士の交流を通じまして相互の信頼関係が構築されて県内の自治体間の連携が促進されると考えておりますので、こちらのほうを頑張って取り組んでまいりたいと考えております。
鏡原委員 非常にいい取組がスタートするんだなと思っておりますので、
フィールドワークもするということで、ぜひいろいろな活動というか、座学だけじゃなくて、いろいろな活動を通して、仲間意識ではないですが、お互いを知ってお互い気さくに話し合えるというか、本当の心のうちの話ができるようなところに持っていけると思いますので、その点は来年度からということなんで、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
もう一つが、
民間事業者の方との研修会というのも有効ではないかなと思っております。この前、新聞で、東かがわ市は、何かそういったところを始めたみたいなところを見まして、詳しくは知らないんですけれども、そういう報道もありました。特に県行政となりますと、住民の皆さんとの距離感というのが市町よりか少し離れているというか、国寄りなところもありますので、そういった意味でも、研修の形ではいろいろあると思います。いろいろな協議の場とか話合いの場であるとは思うんですけれども、そういった民間の皆さんとの直接の会話とか研修とかでいろいろな声とかいろいろな思いというのを共に共有していくといった民間との研修というのも重要だと考えるんですけれども、その点についてのお考えがもしあればお聞かせいただければと思います。
椋田総務部長 民間事業者の方々と交流することにつきましては、県の組織内では得難い価値観に触れることができると考えておりまして、幅広い視野や柔軟な思考力が養成されることが期待できると考えております。本県におきましては、民間のコンサルタントが
県内企業などの異業種の方々との交流を図るために実施をしております異
業種交流研修、このほかにあとは香川県
選挙管理委員会等が、市町も含めてですけれども、自治体や
民間企業等の若者を対象に実施をしております、選挙に関する議論を行う
若手職員交流研修に希望者を参加させているところです。今年度については残念ながら
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いましてこれらの研修は中止となってしまったんですけれども、過去の受講者の方からは、研修での
グループワーク等を通して、正解が見つかりにくい課題に対しても様々な職種の人が集結している環境だからこそできる見方や気づき方、いわゆる多様性の力を感じたといった感想が寄せられておりまして、参加者は貴重な体験ができているものと考えております。
このほか、これまで本県では、
民間企業における業務体験を通じて職員の
意識改革と資質の向上を図るために職員を
民間企業に派遣いたします
民間企業派遣研修を平成10年度から平成30年度まで実施いたしまして、この間13の企業等に37名を派遣したところです。
来年度以降もこういった異
業種交流研修や
若手職員交流研修などの機会を活用いたしまして、
民間事業者の方々との研修を通して異なる組織文化であったり多様な価値観に接することにより
意識改革を図っていき、柔軟な思考力を持った人材を育成していきたいと考えております。
鏡原委員 平成10年から平成30年までは民間に派遣して、民間に行ってのOJT的なことをやっていたという、平成30年で終わって、今はやっていないという話と聞こえますが、何かそれが終わった理由とかはあるのでしょうか。
中濱人事・
行革課長 平成30年度までは
民間派遣研修に職員を出していたのですが、災害の他県への派遣とかの人手が必要になりまして、
民間派遣研修は平成31年度以降送れていない状況です。
鏡原委員 分かりました。冒頭言ったように、人手の話というのがどこにおいても出てくるんだろうとは思いますんで、大前提に戻ると、職員の皆さんの偏りをなくして県庁全体の底上げをしていくというのが一つの目標、目的でありますし、後段おっしゃっていただいたように、各市町との連携とか民間の直接の声を聞いて自分の中に取り入れていくということも一つ本当に大きな、外が見にくいというか、何かすごく民間って一くくりですけれども、行政って小さな一くくり、民間と行政みたいな状況なので、その垣根を払っていくというのも一つ重要なのかなと思っておりますので、ぜひそういったところに対して皆さんが受講しやすい環境をつくっていただきたいし、民間に行っていたけれども、人がいないようになったからなかなか行かせられないというような状況も、ぜひ解消できるのであれば解消していただいて、そういうものに行っていただきたいと思います。特に、入ったばかりの若手の職員の方とか、できれば、部長級とは言いませんけれども、上のほうの少し研修から離れたような方々も含めて、そういった民間とか地域との交流というところの研修というのは、ぜひ受けていただきたいなと思っておりますので、そういった観点も含めて、今後、研修についてもう少し柔軟に幅を広げてやっていただくようにお願いをして質問を終わります。
米田委員 1点、定員管理の課題について伺いたいと思います。
2022年4月1日の職員の
新規採用が、辞退者が出て、募集しただけ確保できないという状況にあると伺いました。もし人員補充ができないとなれば、それでなくても日本一の少数精鋭できている香川県ですから、業務の中で大変な思いを強いられている職員、それでも献身的に業務を遂行しておられる職員にとっては落胆はいかばかりかと、そんなふうにも憂えております。
今年度何人募集をして、現在、任用に応じると返事をいただいているのは何人か、その人数が加わった4月1日現在の新
年度スタート時、どういう
正規職員の体制でスタートしようとしているのか、まず教えてください。
椋田総務部長 まず、令和3年度の
採用試験では、
大学卒業程度の競争試験や
職務経験者を対象とした選考試験などを実施いたしまして、
一般行政事務や技術職種におきまして約150人の
新規採用者の募集を行いました。その結果、153人を
最終合格者といたしましたけれども、このうち現時点で約30名、率にして約20%の方から
採用辞退の申出がありまして、現在のところ120人程度新規に採用するという見込みになっているところです。
令和4年4月の
人員体制につきましては、
感染症対応業務に従事いたします保健師の恒常的な
人員体制の強化の観点から、保健師5名を増員いたしまして、2,845人の
人員体制とする計画でしたが、今申し上げたように、
採用辞退が生じていることもありまして、この4月現在の
正規職員つきましては現在のところ2,820人を下回る見込みとなっています。令和3年4月においても同様の対策を取ったところですが、
フルタイム勤務の再任用の職員を配置することによりまして、この
正規職員と
フルタイム勤務の再
任用職員を合わせて2,845人の
人員体制を確保できるようにしたいと考えているところです。
米田委員 20%もの
採用辞退を聞いて改めて驚いたところですけれども、募集した人員は必要があって
採用計画をいろいろ議論して決めるわけですから、必要性があって決めた
計画どおり採用ができないというのは非常に問題があると思います。
私は、3つの点から問題意識を持っています。
1つは、
県民サービスが、それによって想定をした
県民サービスが提供できなくなる、後退をするということが生じるのではないか。
2点目は、一人一人が結局その分を、はしょります。今
フルタイムの
会計年度任用職員で埋めるという話をいただきましたけれども、それにしても、その方たちがかつての状況で働くというような気力と体力という面からするとなかなか難しいところがあるのではないかと思いますから、そうしますと一人一人の職員に無理が生じる、今もコロナ禍で大変な無理を強いられているという状況はよく認識をされていることだろうと思います。そして、それは職員のみならず、家族にも負担が強いられる、そして何度か公務災害の問題を取り上げさせていただきましたけれども、ひょっとすると不幸に見舞われるかも分からないリスクを職場として、職員として抱えるような状況が生まれるということを懸念いたしております。
それから、もう一つは、世間的には県の職員というのはできたら子や孫を入れたいというような話をいっぱい聞くだろうと思います。私も聞きますけれども、本当に広くない、狭い門であるにもかかわらず、その門が空白でもって過ごされていくというのは、県民が聞いたらどう思われるかということです。その門があるのならちゃんと埋めるように私らにも情報を、再募集をするなどをして、私たちのささやかなといいますか、思いにも応えてほしいというのが県民の気持ちではないかと思いますけれども、今、
会計年度任用職員で当面しのいでいくというようなお話がありましたけれども、急ぎ再募集をしたりして対応するというような考えはないのかどうか、改めてお聞きをしたいと思います。
椋田総務部長 今申し上げましたように、今回の
採用辞退による欠員の対応といたしましては、
フルタイムの再
任用職員でその分の人数をさせていただこうと考えているところです。今回定年退職される方の中にも
フルタイムの再
任用職員を希望している方がいらっしゃいますので、その希望者の中から、ベテランの職員がその中に入っていただけるということも一つその力を十分発揮していただくという面でもありますので、今回の令和4年についてはそのような対応でさせていただきたいと思っております。再度の募集につきましては、準備の関係もありますので、予定はしていないところです。
米田委員 当座の対応はそうせざるを得ないのではないかというような思いもありますけれども、組織としては新陳代謝が図っていけないという課題を負ってスタートをするということからすると、次年度に向けてどのようにそういうリスクを排除していくのかという観点からの
アプローチといいますか、この問題の解消を考えていかなければならないのではないかと思います。学生から見たら20%も辞退をされるような
香川県庁には魅力がないと映っている、その魅力のなさとは何なのかということを掘り下げて分析をして、そして学生に辞退をせずにどんどん
香川県庁で頑張ろうという気になっていただけるような発信をどうしていくかということが一つ大きな課題ではないかと思っています。職場風土が学生の目に否定的に映っているというような状況があるのではないかと思うのですけれども、どのように今分析をされているのか、それに対してどう解消していくための手だてを準備されているのか、伺わせていただきたいと思います。
椋田総務部長 まず、
採用辞退の分析ですけれども、先ほど全体では20%というお話をさせていただきましたけれども、
一般行政事務職について申し上げさせていただきますと、
最終合格者72名のうち辞退者22名となっておりまして、率にして約30%の方が辞退をされているということで、例年に増して辞退が多くなっているような状況です。今年度の
一般行政事務の
最終合格者の中から辞退者22名に対して、県の
採用辞退をしてどこに就職する予定なのか伺ったところ、約9割の方が国の機関等に就職するというようなお答えでした。高松には国の出先機関が多い中で、国と県の両方を受験する方が多いというのが一つの要因であろうと考えているところです。
こういったところで、では辞退を減らして、先ほど委員おっしゃられたように、県のPRをどのようにしていくかというところですけれども、実際に仕事や風土というお話もありましたけれども、こちらのほうを見ていただいて、体験してもらうということも一つの重要なことかと思っておりますので、県では学生の県政に対する理解を促進し、また、将来の県政を担う優秀な人材の確保につなげるために平成25年度から毎年8月に大学生や大学院生を対象としたインターンシップを実施しておりまして、近年は7日間程度の日程で100名程度受け入れておりまして、各職場において様々な
就業体験等を行ってきたところです。今年度につきましては、
新型コロナウイルスの感染防止のため、これを
オンライン方式で実施したところで、延べ2日間の日程で職員との意見交換や各所属に分かれての就業体験を実施いたしまして、198名の方に来ていただいたところです。こういったインターンシップは、学生が将来の就職先といたしまして香川県を選択するための貴重な就業体験の場と考えておりますので、来年度以降も継続して実施してまいりたいと考えております。
そのほかにも、県ホームページやフェイスブックなどによりまして、県の仕事の内容や魅力の情報発信をしているところですけれども、今後もより一層、県の仕事のやりがいや魅力が理解されるように努めてまいりたいと考えております。
森岡人事委員会事務局長 辞退者の分析につきましては、人事委員会といたしましても、先ほどの総務部長の答弁と同様の見解でありまして、また、これは全国的にもほぼ同様の状況と認識しております。こうした状況を踏まえまして、人事委員会といたしましては、国家公務員の採用スケジュールも勘案しながら、国家公務員一般最終合格発表日までに県職員の最終の合格発表を実施しているほか、口述試験の際には本人の意向の確認に努めるなどの対応を図っているところです。人事委員会では、県の業務に関心を持ってもらい、少しでも受験者の増加につなげるよう、
任命権者の採用活動の取組に加えまして、従来から香川県職員採用セミナーを開催しているほか、近県の大学とも連携いたしまして、県庁業務の説明会を開催したり、インターンシップ等の機会を捉えまして、
採用試験に関する説明や相談なども行っているところであります。現状は、
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、各大学での説明会等につきましては基本的にはオンラインの開催となっていますが、状況が落ち着きましたら、より職場の雰囲気を味わってもらえるようなイベントも開催したいと考えております。
人事委員会といたしましては、近年、学生の側におきましてキャリア形成への意識の高まりや勤務環境への関心の高まりが見られるなど、新卒者の採用をめぐる状況が変化していることも踏まえまして、本県の行政に携わることの魅力ややりがい等につきましてこれまで以上に積極的な広報を行いますとともに、職員に対するキャリア形成支援や働き方改革の取組についても情報発信を行うことによりまして、必要な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
米田委員 国のほうに逃げる、優秀な人材が国のほうに行くというのなら、おっしゃったような試験日程の絡みでの工夫というのもあるでしょうし、そこは構えつつも、もし逃げられた場合に即、最初から逃げられるのを想定して次の補充試験というのを用意しておく手もあるのではないかと。逃げる方はもう構わないと。香川で一緒になって一生懸命楽しく働こうという発信をするためには、そういう人も大いに募集していますという2段構えというのもあるのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
それと、インターンの方に体験をしていただくというような試みもやられているというお話をいただきましたけども、そのインターンの方の感想も取られていると思いますが、その辺の特徴的な答えといいますか、傾向というのはどんなものか、少し御紹介いただけたらと思います。
椋田総務部長 インターンシップを受けられた方の感想ということですけれども、大体多くの方が県の仕事の理解ができたとか、県で働くイメージをつけることができたというような好意的なお答えをいただいているところです。
米田委員 優等生的な答えでありました。今の子供たちは子供時分から事務職みたいなのをイメージできると思いますが、私自身は父親が大工だったので、大学に行っていても事務職というのはイメージができずに悩んだことがあり、一度陶芸家を目指そうということで岡山県の備前焼の里へ本気で行ってみたりとか、そういう経験もしたんですけれども、そういうふうに現実的な対応でいいのだろうと感想を持たせていただきました。
それで、1点お伺いしておきたいのは、保健所の体制の拡充というのは焦眉の課題と何度も申し上げてきました。それで、当面5人の増員ということで対処されるということですけれども、これで十分とお考えか、取りあえず5人配置をして、最終形として保健所の体制を、県民の今回のコロナの状況を見据え、今後のことを見据え、どう体制を整えていくというところまで計画が今あって進められるのか、当座というようなことなのか、現状を教えてください。
椋田総務部長 今御指摘のとおり、来年度におきましては、国の地方財政措置におきましても
感染症対応業務に従事する保健師の恒常的な
人員体制の強化というものの措置が講じられておりますので、本県におきましても保健師5名を増員いたしまして、保健所の体制強化を図る予定としております。今後ですけれども、それにつきましては健康福祉部とも協議をしていきながら、必要な人員を確保してまいりたいと考えております。
米田委員 まだ検討段階にあると受け止めさせていただきました。
歴史を振り返りますと、保健所が統廃合される以前、それから衛生研究所、それから環境保健研究センターが統合される以前と現在とでいいますと、保健所のお医者さんと保健師でいうとマイナス13人、それから環境保健研究センターでいいますと10人の減というのが事実として今我々の目の前にあるわけですから、そこまでの回復が必要なのか、あるいはそれ以上の配置が必要なのかということも含めて検討を進めていただくことをお願いしておきたいと思います。
最後に、11月議会でも伺いました定年延長に伴う定員管理の問題について伺います。
2年ごとに1歳ずつ引き上げていくシミュレーション、今後、10年間の定員管理をどうしていくのか、その設計に当たっては、11月議会でも申し上げましたけれども、みんながみんな定年延長を望まないということもあるということも申し上げました。そういうのを見据えた早期退職、そして再任用という制度も新たにつくられるという状況もあるとも伺いました。ですから、その年代の人たちが今どういう60歳以降の人生設計といいますか、生活スタイルを望んでいるのかをつかむ必要がある、それには目の前に定年が来ている世代の方にアンケートを取ったらどうでしょうかと、意向調査をしてはどうでしょうかとも提案させていただきましたけれども、その辺の進捗状況について教えていただきたいと思います。
椋田総務部長 委員御指摘のとおり、アンケートの実施につきましては、対象となる世代の職員の方々の働き方が実際どうなのかと我々が知るためでもありますし、実際その方々に考えていただく契機となるものとも考えております。また、こういったアンケートをすることによって、そのほかの職員に対しましても制度の周知につながるものであると考えております。
そこで、この定年延長に伴う職員の意向調査について、国からもアンケート例の提供がありましたので、それを参考にしながら、まさしく今実施に向けて準備を進めているところです。
米田委員 そういう意向を無視して勝手に絵を描いてもうまくいかないというのは想像に難くないと思いますので、ぜひそういう意向を踏まえた上で、よくこのような設計図を描いてくれたと職員の皆さんに感心をしていただけるような定年延長に伴う定員管理について、十分職員の意向を踏まえた対応を取っていただきますように再度要望して質問を終わりたいと思います。
高木委員 私からは、まず第1点目が、県庁における
新型コロナウイルス感染症に係るBCP(業務継続計画)について質問させていただきます。
新型コロナウイルス感染症については、全国各地でオミクロン株を含めた新規感染者数が急増する中、本県においても年明け以降に感染が急激に拡大し、1月21日から2月13日までの間において再びまん延防止等重点措置が適用されることとされ、2月に入って感染拡大が続いていることから、3月6日まで適用期限が延長され、感染数が過去最大を記録しています。いつ500人を超えるかと私も思っているんですけれども、まん延防止等重点措置の適用に当たり、県は感染者や濃厚接触者の急増により、県民生活や社会経済活動に不可欠な業務を行う企業等に欠勤者が多く発生し、事業の継続に大きな影響を与えることが懸念されることから、民間の事業者の皆様に対して事業継続計画の再確認、策定などの協力要請を行ったと聞いています。県庁においても、多くの職員が
新型コロナウイルス感染症となった場合でも業務を継続することができるようにすることが大切であると考えます。
そこで、質問ですけれども、まず今回のまん延防止等重点措置の再適用に伴い、
新型コロナウイルス感染症に係る県庁のBCP(業務継続計画)についてどのような対応をされたかにつきまして、お伺いさせていただきます。
椋田総務部長 県庁のBCPにつきましては、まず平成27年10月に新型インフルエンザ等発生時の
香川県庁業務継続計画を策定いたしまして、新型インフルエンザ等の発生により、職員本人や家族の罹患等によりまして最大で約40%の職員が欠勤した場合におきましても県の行政機能を維持し、県民生活に支障を来すことがないように、県庁全体の通常業務につきまして優先的に取り組むべき業務を整理し、その継続のために必要な体制を定めているところです。
ただ、今の
新型コロナウイルス感染症につきましては、知事部局でも本年1月以降も再び感染者が増えているところではありますけれども、
香川県庁の業務継続計画で想定しているような約40%の職員が欠勤するような状況にはなっていないところで、この計画にのっとって全庁的に業務を中断するなどの対応はこれまでのところは取られていないところです。
ただ一方で、この
香川県庁業務継続計画の趣旨を踏まえるとともに、政府の
新型コロナウイルス感染症対策本部によります
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に基づきまして、所属の職員が感染者や濃厚接触者となった場合におきましても職務が遅滞なく行えるように、事案発生直後の執務室の消毒などから一定期間における必要な業務継続に関する具体的な対応計画につきまして、一昨年、令和2年12月に各所属で整理をしたところです。
今回、国内各地でオミクロン株を含めた新規感染者数が急増しておりますので、本県においても、また、まん延防止等重点措置区域にも加えられたところでもありますので、感染拡大防止にさらに万全を期す必要があると考えております。
そこで、改めて本年の1月に各所属長に対しまして、一昨年の12月につくった業務継続に関する具体的対応計画について再びの内容の点検を依頼して行っていただいたところです。各部局におきましては、所属職員に感染者等が発生した場合におきましては、今回点検をいたしました計画にのっとって必要な対応を取っていただいて、県庁内での同時感染を回避しながら、県民生活を支えるために必要な業務についてはしっかりと継続していく、そういったことをしていただいていると考えております。
高木委員 業務継続に関する具体的な対応計画見直しを行ったということですけれども、その計画を最初に策定した令和2年12月からは1年以上経過し、その間において実際に職員が
新型コロナウイルス感染症に感染した事案も発生しています。そのような状況を踏まえて県庁内で感染防止対策についてより一層徹底する必要があると考えますけども、今回はどのような見直しを行ったかお伺いさせていただきます。
椋田総務部長 今回の業務継続に関する具体的対応計画の見直しにおきましては、現在も流行の主流となっておりますオミクロン株の感染力が高く、県庁においても今年の1月に入って濃厚接触者や感染者となる方々が複数発生しておりまして、所属内の多数の職員が感染者等となった場合におきましても県の行政機能を機能し、県民生活に支障を来すことがないように、現実的に機能する対応策について今回点検を依頼したところです。この依頼に当たって各所属長に対しましては、前回の計画の優良事例、例えば日頃からグループ内で業務内容やスケジュール等について共有をするとともに、各担当者が緊急の業務やスケジュールを整理しておき、実際に職員に感染者が発生した場合には短時間で引継ぎを行える体制を構築するといったような事例も紹介をしたところです。今回の見直しによりまして、各所属におきましては、改めて職員に感染者等が発生した場合に継続しなければいけない業務とやむを得ず縮小する業務を精査し、継続すべき業務につきましては、例えば在宅勤務等により感染拡大を防止しながら関係各課と協力して実施するとともに、専門的な経験、知識を要する業務については万一の場合に他部局への応援も依頼できるように経験者をリストアップするなどの対応策が検討されまして、各部局内におきましてもその情報を共有されたものと考えております。今回の対応計画の点検が一つの契機となって、実際に職場でも感染者の方々が発生しているような状況も踏まえてそういった場合にどうすればいいかということを現実的にいろいろと考えていただいたものと思っております。職員の方々に対しましては、統括安全衛生管理者といたしまして、対策期等に応じた感染予防のポイントなどもお示しをしているところでありまして、今回見直しを行いましたこの業務継続に関する具体的対応計画も活用しながら、県庁内の感染拡大を防止するとともに、県民生活を支えるために必要な業務についてはしっかりと継続してまいりたいと考えております。
高木委員 部長の答弁を聞いておりまして、平成27年の見直しのときに、新型インフルエンザで40%の職員が欠勤しても支障を来さない体制というのは本当にすごいことだと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。最近オミクロン株もステルス・オミクロンという20%感染力が高いものも発生していると思いますので、より優良事例を参考にしながら取り組んでいただきたいと思いますし、私の持論でもあるんですけれども、例えば、昨日か今朝、テレビを見ていたら大西高松市長のインタビューが出ていて、今、高松市の小学校でも家庭で生徒が感染して、学校で再度集団感染するという中において、保健所の職員不足でその追跡調査ができないというようなことをインタビューでおっしゃられていたんですけれども、そのときに私は、今の
米田委員の質問もお聞きしていて思うんですが、一人二役というか、例えば、保健師の資格を持った、あるいは資格を再度取るということも含めて、そういう技術職の採用とか、あるいは県の職員の中で意欲ある方を保健師のみならずやるとか、それから最近全国でも子供の少子化対策で問題になっている保育士不足にしても、そういう資格を持った人を増やすとか、そういう形でいろいろな危機になったときに取っていただきたい。
それとともに、私の持論でもあるんですけれども、今地球温暖化で、ロシアは今ウクライナを攻めていますが、ロシアは地球温暖化でシベリアの凍土が溶けて、溶けたがゆえに死骸が出てきたりして、今では考えられないようなウイルスとかが発生してトナカイが何百匹死んだという事例があったり、凍土が傾きかけています。人間が地球を結局開発し過ぎてアフリカの地中深く埋まっていたものを掘り起こして出てきたのが発生したというようなことも聞くことがありましたので、これからどのようなウイルス的なものが発生するか分かりませんので、今、部長が答弁いただいたとおり、再度危機対応に取り組んで県政が困らないようによろしくお願いします。
次の質問は、さぬきこどもの国ESCO事業につきまして質問させていただきます。
来年度も871万3000円の予算が組まれ、維持管理経費の削減を図るために、さぬきこどもの国ESCO事業が予定されています。ESCO事業は、省エネルギー改修に係る全ての経費を光熱水費の削減で賄う事業です。環境省の説明では、「全ての費用(建設費、金利、ESCO事業者の経費)を省エネルギー改修で実現する光熱水費の削減分で賄うことを基本としている。そのため、ESCO事業の実施により自治体が損失を被ることがないよう、事業採算性が重視され、自治体の新たな財政支出を必要としない。さらに、契約期間終了後の光熱水費の削減分は全て自治体の利益になる。また、ESCO事業者による資金調達を活用する場合は、事業開始初年度から、従来の光熱水費支出以上の経費負担が発生することなく、同時に、省エネルギーを推進し、温室効果ガス排出削減を実現することが可能」と説明がありました。
そこで、質問ですけれども、この事業は平成25年度から始まっていますが、今年度までの取組と成果につきまして、まずお伺いさせていただきます。
長尾財産経営課長 さぬきこどもの国で導入しているESCO事業につきましては、委員御指摘のとおり、ESCO事業委託契約の相手方である
民間事業者が空調設備等の省エネルギー改修を行い、その後、その改修による光熱水費の縮減額の範囲内で、設備の施工、維持管理、償却費用に相当するサービス料を支払っていくものです。
これまでの取組につきましては、平成25年9月に契約を締結した後、事業者において高効率空調熱源機器への更新、また、節水装置の設置、空調機省エネ制御の導入、LED照明の導入など省エネルギー化のための改修工事を実施した上で、平成26年度から15年を期間として事業を開始しております。
成果につきましては、サービス開始以降における光熱水費の削減額を見ますと、年度平均で950万円余の実績があり、平成26年度から令和2年度までの7年間では約6700万円が削減されております。今年度におきましても、4月から今年1月までの10か月間で、760万円余となっております。年間換算では900万円余となる見込みです。
高木委員 すばらしい成果が出ておりますので、今後とも継続して取り組んでいただきたいのですが、令和4年度の事業内容と目標とする成果につきましてお伺いさせていただきます。
椋田総務部長 令和4年度のESCO事業ですけれども、当初予算におきましては県が事業者に支払う来年度分のESCOサービス料は871万3000円を計上いたしまして、年間の削減予定額は約944万円と見込んでいるところです。このESCO事業につきましては、省エネルギー改修に係る費用を光熱水費の削減分で賄うなど財政負担の軽減も図られるほか、また、省エネルギーを推進し、温室効果ガス排出削減にも寄与するものですので、県でもこのたび新たに策定いたしましたかがわエコオフィス計画(第6次)の中で、施設設備の省エネルギー化の推進を重点施策の一つとして位置づけ、積極的に取り組むこととしておりますので、今後ともさぬきこどもの国での運用状況を検証しながら、ほかの県有施設での導入の可能性についても検討してまいりたいと考えております。
高木委員 最後に部長から答弁いただいた、ほかの施設でも検討してまいりたいというのは、私もそうだと思います。一つの例を挙げれば、行政の施設は結局デザイン重視というケースも結構ありますが、学校というのは教室の配置とかも含めて使い勝手重視でいくべきだと私は思っています。そういう中で、体育館を例に取れば、かまぼこ型にする屋根もあれば切り妻型の屋根もありますが、私は、先ほどの太陽光の話がありましたが、今後、県が屋根の形状を片流れにして、そしてその上に、体育館を例に取れば、教室でもそうですけども、その上に太陽光パネルをすると。太陽光パネルを張ることによって、そこに屋根との間に空気層ができて、熱を遮断しますから、エアコンの使用量も減ってくると。それから、ある大手電機メーカーは、壁に張る太陽光もできておりますから、それとともに最近バッテリーの蓄電池技術が急速に電気自動車の普及とともに発達しつつありますから、そういうことが進んでいけば、今回ロシアのウクライナ侵攻で今一番ドイツが困っているのは、向こうから天然ガスが来ているので、これがもし途絶えれば上がったりして、そういうことでフランスは再度原発をやろうとしている、日本では福島第一原発があったのでまず不可能です。そういう中において、それに代わるものとしたときには、とりわけ今回の件で成功しているこどもの国ESCO事業のように、それをほかに広げて可能な限りエネルギーの自給率を高めて、それで原発が減っている分をカバーしたり、今増えている、例えば、風力であるとかその他の電力とともに、私も質問したことがあるんですけれども、香川県であれば地中熱の利用とかもやっていけば、今新型コロナで非常に財政も借金が増えていっていますけれども、増える中においても、減るところが出てくれば将来世代に負担のかからない、借金を残さないような社会ができると思いますので、そういうところに積極的に取り組んでいただくことをお願いして質問を終わらせていただきます。
山田委員 私からは、簡潔に1点だけお尋ねしておきたいと思います。
多文化共生の社会づくりについてお伺いしたいと思います。
法務省の公表しております在留外国人統計によりますと、令和3年6月末の時点で、これが直近の調査だと思いますけれども、我が県の在留外国人の数は1万3832名ということであります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響がありまして、前の年に比べれば減少しているということでありますけれども、それにいたしましても、10年前の平成23年と比べますと、在留外国人は8,400人程度だったわけでありますから、この10年の間に我が県でも実に約1.7倍増加したということであります。一方、国内の労働人口でありますけれども、皆さん御承知のとおり、少子化等の影響がありまして、ずっと減少傾向が続いております。ですから、各業界、とりわけ中小企業の経営者の方々は、働き手の確保のために四苦八苦しているのが実情だと思います。今は新型コロナの関係で随分と抑え込まれているわけでありますけれども、このはやり病が収束いたしますと、再び技能実習生をはじめとする外国人労働者がどっと国内に入ってくることは必至であります。したがいまして、我が県の外国人住民の数も随分と増えるだろうなということは容易に想像がつくわけであります。
外国人住民は、当たり前のことですが、文化が違います。それから、生活習慣も全く異なります。ですから、地域住民の方々との間で何かとトラブルは起こりがちであります。慣れない日本での生活は、労働問題はもちろんですけれども、医療とか福祉あるいは教育など様々な面で多少なりとも不安というか、問題は抱えているはずです。
そこで、こういう外国人住民に対してこれまでも県は様々な支援策を講じてきたわけでありますが、今年度はどういったことに力点を置いて取組を実施してきたのか、お伺いをしておきたいと思います。
尾崎知事公室長 県では、これまで県の国際交流協会や市町などと連携いたしまして、異文化理解講座をはじめとする相互理解を深めるための取組や、外国語における防災ガイドマップの配布などの防災面での支援、また、ホームページなどを通じて外国人に対応した医療機関や生活情報の提供、また、令和元年度にはかがわ外国人相談支援センターを設置いたしまして、生活全般の相談対応など、外国人の方が本県に来県いたしまして、安心して生活できるよう支援してきているところです。
こうした中、御質問の今年度の取組ですが、新たに外国人住民と日本人住民との交流を促進するための仕組みづくりと、また、地域住民の多文化共生に対する意識を啓発することを目的に、多文化共生のまちづくり促進事業を今年度実施しております。
この事業では、この委員会でも何回か御答弁しましたが、綾川町をモデル地域として日本人住民と外国人住民との橋渡し役として交流事業などの取組を中心的に行っていただく綾川町多文化共生のまちづくりサポーターを養成いたしまして、21名の方を今年度養成させていただいております。そのほかにも、日本人住民と外国人住民との交流、相互理解の場として、今年度は小豆島のほうに行かれておりますが、小豆島ツアーや、フットサルのイベント、また、綾川町はベトナムの方が技能実習生に多いのですが、ベトナム講座を開催していただくということを行っております。本日午後、この綾川町の事業報告会を市町の担当者の方に御説明する予定になっておりまして、今後、こういった取組を県下各市町に横展開を図っていきたいと思っているところです。
また、今年度、昨年の11月に、令和7年度までを計画期間とする新しい新かがわ多文化共生推進プランを策定いたしました。この新しいプランでは、これまでの取組を引き継ぎながらも、外国人住民を支援の対象として捉えるだけでなく、地域社会の担い手として社会参画を促し、地域活性化につながることに積極的に取り組むことを新たに計画に盛り込んでいます。そういったことで、多文化共生の社会づくりに取り組んでいきたいと考えています。
山田委員 多文化共生社会の実現に向けて県として基本的な考え方を示したものとして、新かがわ多文化共生推進プランを昨年11月に策定しているということで、そのことについて今中身について少しお話しされたと思いますが、新年度に向けて、もう少し深掘りしてお聞きしたいと思うんですが、どういった点に力点を置いて取組を実施していこうと思っていらっしゃいますか、もう一度聞かせてください。
尾崎知事公室長 先ほど答弁いたしました、昨年11月に新たな多文化共生の推進プランを策定いたしまして、これまでは外国人住民を支援の対象として様々な取組をしてきたところですが、地域の担い手として社会参加を促して地域の中に溶け込んでいただくということを今後、この計画に盛り込みまして、積極的に取り組んでいきたいと考えているところです。
御質問の来年度ですが、まず、今年度、先ほど御答弁しました綾川町に続いて、新たな市町を1か所選定して、同じく多文化共生のまちづくりのサポーターなどを養成して地域住民と外国人住民との交流を図っていく取組を進めたいと考えております。また、新たな取組といたしましては、
県内企業や日本語学校などに雇用されている外国人や留学生など、そういった方々がぜひ地域のほうに入っていただくような優れた取組を支援していきたいというような新たな支援制度を今議会に御提案させていただいておりまして、事業名は多文化共生の社会づくり事業ということで、予算額としては93万円ですが、提案しているところです。
このほか、外国人コミュニティーで中心的な役割を担っていただく外国住民の地域防災のリーダーを養成する災害時外国人地域防災リーダー育成研修も行っていこうと考えております。こうした取組を通じまして、先ほどのプランの基本理念であります外国住民の方と日本住民が互いの文化や生活習慣などを尊重し、共に生き生きと安全・安心で豊かな生活を営み、地域で活躍できる香川づくりに来年度も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
山田委員 元から住んでいる県民の皆さん方と、新しく入ってこられた外国人住民の方々が同じ地域で共に仲よく暮らしていくためには、私は交流が第一だと思います。交流の場をつくるということが一番だと思います。お互いがそれぞれの文化の違いについて理解を深めるということが何よりも肝腎ではないかなと思います。何か国際社会は今暗雲が立ち込めております。プーチンにも言ってやりたいところでありますけれども、いずれにいたしましても、新多文化共生社会の実現を目指して、新年度はより一層積極的に取組をしていただきたいと思います。要望して終わります。
辻村委員 大きく1点、これからの県庁職員の在り方についてお伺いしたいと思います。
香川県におきましては、平成22年度に2,800人体制を実現して以降、全国最小規模の職員数で県政を担われております。この間、厳しい財政状況や人口減少、
少子高齢化の進行、県民ニーズの多様化などにより
行政課題はますます高度化、複雑化し、また、近年の
新型コロナウイルス感染症や昨年度多発した高病原性鳥インフルエンザなどの感染症への対応、今後、発生する確率が高いとされている南海トラフ地震をはじめとした自然災害への対応等、危機管理事案への対応も必要となってきております。
さらに、昨年11月にかがわデジタル化推進戦略が策定されましたが、県庁においても、デジタル技術の活用により、様々な課題の解決、新たな価値観の創造を行う変革、デジタル・トランスフォーメーションによる
県民サービスの向上と組織制度の組替え等の実施が迫られております。このように、新たな課題が次々と生じ、目まぐるしく変化する世の中であっても、県庁職員の皆さんは住民の福祉の増進のために職務を遂行することが求められており、これからの県政を担っていく県庁職員に期待される能力、資質というものはどのようなものであると考えているのか、また、そのために県としてどのような取組を行っていこうと考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
椋田総務部長 行政課題がさらに高度化、複雑化することが見込まれるとともに、全国的に頻発しております自然災害や
新型コロナウイルスの感染拡大、社会全体のデジタル化、オンライン化の加速、働き方改革の推進など社会情勢が大きく変化していく中で、高い使命感を持ち、県民本位、地域本位の視点に立って業務を遂行することができる職員を育成することが課題であると考えております。
県におきましては、職員育成の基本的な考え方をまとめました
人材育成方針を定めておりまして、この中では、求められる職員像といたしまして、「明日の香川づくりに情熱を持ち、県民本位で行動するプロフェッショナルな職員」を掲げております。具体的な職員像といたしましては、失敗を恐れない胆力を持って課題に挑戦し、責任感を持ってやり遂げる職員や、県民や相手の立場になって考え、積極的にコミュニケーションを図ることができる職員などを挙げているところです。
また、職員に求められる能力といたしましては、職階ごとに異なり、業務遂行能力や組織運営能力につきましては下位の職階から順次習得し、上位職階に任用されるまでに身につける必要があると考えております。例えば、若手職員には理解力が求められ、中堅職員には表現力、管理職員には折衝調整力が求められております。また、若手職員には企画開発力、中堅職員以上となれば
政策形成能力が求められると定めております。そして、県職員としての使命感、主体性と責任感、規律、倫理性、改革姿勢とチャレンジ精神などの姿勢につきましては、全ての職員に求められると考えております。
また、こうした職員を育成するための取組といたしましては、4つの柱を掲げているところです。
1つ目は、人材確保のための採用方針でありまして、
採用試験、採用活動の見直しやインターンシップの実施などに取り組んでいるところです。
また、2つ目は、
人材育成のためのキャリア開発でありまして、計画的なローテーションやスペシャリストとしてのキャリアを選択できる複線型人事管理制度などの実施に取り組んでいるところです。
3つ目の柱は、
人材育成を支える研修制度、人事考課制度でありまして、
人材育成センターでの研修や、国や他県、市町などへの派遣研修などの実施に取り組んでおります。
また、4つ目の柱は、
人材育成の
環境づくりでありまして、ワーク・ライフ・バランスの推進や女性職員の活躍推進などに取り組んでいるところです。
今後とも職員一人一人が意欲を持って能力を発揮できる
環境整備を進め、組織全体としても計画的に
人材育成に取り組んでいきたいと考えております。
辻村委員 今お伺いしましたお話では、香川県職員として明日の香川づくりに情熱を持って県民本位で行動するプロフェッショナルな職員を理想像として育成を行っていることは十分理解させていただきました。
職員が情熱を持って働き、県民本位で行動できるようになるためには、職員が働きやすい、能力を発揮しやすい
環境づくりも重要であると考えております。近年では、女性活躍、働き方改革、こういったものが叫ばれておりまして、平成28年には女性活躍推進法が完全実施され、女性労働者への働きかけが両立支援から活躍推進へと変わってまいりました。また、そういった中で、一部
民間企業では子育てと両立できるサテライトオフィス等の整備もされているようです。
さらには、コロナ禍においてテレワークが注目されておりまして、オンライン会議でありますとか、これはコロナとは直接関係ないんですが、フリーアドレスの職場も多く実践されていると聞いております。要は職員一人一人のライフステージに合った多様な働き方ということが提唱されているわけであります。
香川県では、県庁職員が働きやすい、能力を発揮しやすい
環境づくりのために、この女性活躍、働き方改革にどのように取り組んでいるのか、特に総務部は部長も女性、次長も1名女性ということで、率先してこの女性活躍、働き方改革に取り組んだと思われますが、どのように取り組まれたのか、お伺いしたい、また、9月議会でお伺いしたときには、部長級の中で唯一オンライン、テレワークをされてなかった尾崎知事公室長におかれては、1年間においてどれだけテレワークに取り組まれたか、働き方改革に取り組まれたのかも併せてお伺いできたらと思います。
椋田総務部長 現在、人口減少や
少子高齢化の進展、県民ニーズの多様化など、
行政課題が高度化、複雑化しておりまして、社会情勢が変化していく中で、これらに対応するために、男女を問わず全ての職員が働きやすい環境を整備し、職員一人一人がライフステージに合わせて多様な働き方を実現し、個性や能力を十分に発揮できるようになることは、県政を運営していく中で重要であると考えているところです。
県では、平成27年度に策定いたしました女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画を昨年の3月に改定いたしまして、その中で女性職員の活躍支援の取組として、女性職員が県行政のあらゆる分野で活躍できるよう、職員の採用に当たっては女性向け採用広報活動の強化等による県職員を志望する動機づけを行ったり、また、入庁後は多様なポストに女性職員を配置することによるキャリア形成の支援や、優れた能力や実績のある女性職員の管理職等への積極的な登用などに取り組むこととしております。例えば令和3年の人事異動では、課長級以上の女性管理職数、また、課長補佐以上の女性職員数ともに過去最高となったところですけれども、今後とも男女を問わず能力や実績等に基づく任用を推進する中で、女性職員の管理職等への登用や
人材育成の観点からの幅広い分野の配置等を実施してまいりたいと考えております。
また、仕事と家庭の両立に資する職場環境の整備の取組といたしまして、超過勤務の縮減や年次休暇の取得促進に努め、職員の総労働時間の短縮を図り、男性職員が安心して育児休業を取得できるよう情報発信等に努め、また、管理職員等を対象といたしましたワーク・ライフ・バランスに関する研修等を実施することなどに取り組んでいるところです。
委員に御指摘いただきましたテレワークをはじめ、早出、遅出勤務といった勤務時間や場所の柔軟性の確保や、好事例を周知しての業務改善や業務見直しの推奨なども行っておりますけれども、今後とも職員が心身ともに健康に過ごし、ワーク・ライフ・バランスの取れた生活を行うことができるように努めてまいりたいと考えております。
この女性活躍と働き方改革ですけれども、密接不可分の関係にあると考えておりまして、これまではややもすれば家事や育児、介護を担ってきた女性が時間制約のある中で十分に能力を発揮できない状態にあったと考えられますけれども、この働き方改革を進めることによりまして、仕事と生活の両立がしやすくなり、男性も家事、育児、介護等を担うなど、生活に中心を置くことができるようになってくるものと考えております。これによりまして、男性も女性もライフステージに合わせた多様な働き方ができるようになり、ひとしく能力を発揮できるようになることで女性活躍も進んでいくものと考えられることから、引き続きこれまで行ってきました女性職員の活躍支援や仕事と家庭の両立への取組を進め、職員一人一人が個性や能力を十分に発揮できる職場となるよう努めてまいりたいと思っております。
尾崎知事公室長 私の働き方ということですが、まずテレワークは9月定例会の委員会で御質問いただいているわけですが、実績で申し上げますと、1回であります。
働き方改革には取り組んでおりますし、昨年は有休を5日以上という県庁内の一つの努力目標がありますが、私はそれについても達成させていただいておりますので、先ほど来の県庁職員の働きやすい環境なり能力を発揮しやすい
環境づくりというのはまさに大事なことであると、それが若手職員のやる気なり、新たに入ってくる入庁者の希望にもつながっていくと思いますので、管理職である私自らそういったことには積極的に取り組んでまいりたいと思います。
辻村委員 私は、平成10年から県議会へ勤めさせていただいて、10年弱ぐらいアウトソーシングをはじめとする行革に一生懸命取り組んできた自負があります。その成果は、先ほども申しましたとおり、かなりなところでアウトソーシング、人数減らしが行われまして、全国最少、精鋭部隊となったわけです。少数精鋭となってスリム化した県行政、そういったものを支えているのは一人一人の県庁職員でありまして、県庁職員一人一人がその職務の重要性を認識し、自身が持つ能力を最大限に発揮して活躍していただくことが、県民のための仕事ができるものだと考えております。
先ほどから採用の話も
米田委員からありましたが、仄聞するところによると、何か県庁職員の受験者の中では女性のほうが優秀であるという話も聞いておりました。なおさらこういう人口減少、
少子高齢化の時代にそういう優秀な女性職員を有効に香川県のために活躍してもらうための方策、先ほども部長が申されましたが、加速して取り組んでいただきたいと思います。
人は宝なりという言葉があります。香川県には、宝である県庁職員が働きやすい環境をつくり、個人それぞれの能力を伸ばし発揮できるよう育成してほしいと考えております。県庁職員の皆さんの今後の御活躍に対しエールを送りまして、これからの県政をしっかりと支えていただくことを期待いたしまして、要望といたします。
新田委員長 以上で、総務部及び
人事委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
新田委員長 異議なしと認め、総務部及び
人事委員会関係の質疑、質問を終局いたします。
暫時休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
(午前11時24分 休憩)
(午後 0時58分 再開)
新田委員長 再開いたします。
これより、危機管理総局及び公安委員会関係の質疑、質問を開始いたします。
鏡原委員 まず1点目、防災・減災対策についてお伺いをいたします。
コロナ禍におきまして、ここ数年間避難訓練などがなかなかできていない状況が続いています。住民の方々からは、コロナ禍でするべきではないとの意見やコロナ禍だからこそ訓練をすべきではないかなど両方の意見をいただきます。両方ともそのとおりの意見ではありますが、いつ来るか分からない災害はコロナ禍でも来る可能性はあるわけであります。このような中で、現在、在宅避難の考え方も言われてきております。
在宅避難とは、災害が起きたときにそのまま家にいることではなく、災害の状況に応じて自宅に倒壊や浸水といった危険がない場合に避難所に行かずに自宅で生活する方法のことをいうとのことです。垂直避難もその一つでありますけれども、そのためには地盤が崩れていないかや建物が傾いていないか、室内が荒れていないかなどのチェックや、食料や水の備蓄、エネルギーやトイレの確保などが必要になってきます。今後は、単純に避難訓練で近くの避難所に逃げる訓練だけを行うのではなく、そうした安全チェックや判断の訓練も重要だと考えます。これまでもやってこられたかもしれませんが、このような状況だからこそ改めて考えていかなければならないのではないかと思います。
そこで、来年度の防災訓練や避難訓練などをどのように実施していこうとお考えなのか、まずお伺いをいたします。
寺嶋危機管理総局長 コロナ禍の防災訓練につきましては、確かに緊急事態宣言、それからまん延防止等重点措置期間中はなかなかできないということで、中止せざるを得ないものも多くありました。ただ、災害は、今おっしゃったように、いつ起きるか分かりません。感染症がまん延しているからといって災害が待ってくれるわけではないことから、県では参加者数の削減、それから例えばテレビ会議システムといった情報通信機器の活用といったことなどで基本的な感染対策、それから工夫を凝らしつつ、可能な限り訓練を行ってまいりました。
具体的に申しますと、本年度ですけれども、9月に予定しておりました総合防災訓練は中止せざるを得ませんでしたけれども、夏と冬の年2回行っている災害対策本部運営訓練、あと11月の番の州地区の石油コンビナートの防災訓練は実施させていただきました。それから、二月に1回は市町と防災情報システムの運用訓練をやっております。これはまさしく通信機器を通じての訓練です。それから、毎月1回は危機管理課内での初動対応の訓練もやっております。訓練内容といたしましては、自宅療養者の避難対策とか避難所での感染症対策などコロナ禍での対応が必要となる課題も多く盛り込んでやっているところです。
また、県内各地で行われております防災訓練につきましては、かがわ自主ぼう連絡協議会と連携いたしまして、感染対策を講じた避難所運営訓練、それから感染症を踏まえた模擬訓練を行うなど、コロナ禍での地域の防災訓練を県としても万全の支援をさせていただいております。
先ほどの委員御指摘の在宅での避難につきましては、昨年11月に自宅や学校など今いる場所での訓練として香川県シェイクアウト訓練を実施いたしまして、約25万人の県民の方々に御参加いただくとともに、その際には災害用の備蓄品の確認、それから家具類の転倒防止がちゃんとできているかどうか、こうしたプラスワンでの訓練にも取り組んでいただいたところです。
さらに、先ほど委員御指摘の在宅避難、垂直避難も含め、適切な避難行動というのは、これまでも全世帯向けの広報誌「THEかがわ」での掲載とか、避難行動に関する折り込みチラシの配布、新聞広告やホームページなど様々な媒体を活用して啓発を行うとともに、学校や地域での出前講座、各種団体の研修会などに県職員が直接出向いて啓発を行っているところです。
来年度におきましても、コロナ感染症に十分配慮するとともに、御指摘の在宅避難の意義にも十分意を用いながら、各市町やかがわ自主ぼう連絡協議会などの関係団体とより一層連携を図りながら、県民の命を守るための工夫を凝らした訓練や啓発に努めてまいりたいと考えております。
鏡原委員 できる訓練をやっているということで、もちろん地域でもやっているところもあればやっていない地域もあります。やっていない地域を見るとずっとやっていない、やっている地域はずっとやっていると、やはり判断の分かれ目がありますので、そういうような形になって、悲しいかな常にやっていないと忘れていくというか、自分の感覚としても薄れていくところもありますので、啓発というのが一番難しいんですけれども、ぜひ啓発しかないので、そこはやっていっていただければなと思いますので、お願いしておきたいと思います。
最近、本県も影響を受けるような地震も増えているように思います。先日も夜中に緊急エリアメールが鳴りましたが、正直どうすることもできませんでした。びっくりして飛び起きただけというような状況でした。そこで思ったのが、どうすることもできないことを前提に、今やっているような家具の転倒防止とか、就寝する部屋をどういったところで寝るのかというようなところを事前に考えておかないと、いざ夜中の2時、3時にぐっすり寝ているときに鳴ると、本当にびっくりして飛び起きるだけで何をしたらいいのか分からない状況になりますので、そういうようなことを今回私は思ったわけですけれども、ぜひそういったいろいろな想定をした防災チェックリストとか、もう今あるとは思いますが、家庭内での話合いができるような取組の推進を行っていただきたいと思います。
これは、本来は自分でするべき話です。けれども、なかなかそういったことができないので、何かトリガーを引くというか、何か一つアクションを加えて、そういったことに関心を持っていただいて、話合いが進んでいくような、そういったような取組、例えば教育委員会と連携して子供たちからそういったことを親に言ってもらうとか、そういうような取組を本県としてもやっていくようなお考えはあるのか、はたまた、今やっているのであれば、御紹介いただければと思いますけれども、その点についてお伺いをいたします。また、知識養成のためにも、これまでもやってきておりますけれども、防災士資格の取得促進の取組も重要と考えますので、県としての今後の取組についてもお伺いをいたします。
寺嶋危機管理総局長 委員御指摘の家庭での備えとか話合いにつきましてはこれまでもやってはおります。県のホームページや広報誌などを活用いたしまして、家庭での防災チェックリスト、それから非常時持ち出し品のチェックリスト、こうしたものの紹介をさせていただいております。在宅避難を含みますハザードマップを活用した避難行動、こうしたものもちゃんと周知しております。それから、災害が差し迫ったときに時系列で取るべき行動を事前に決めておくというマイ・タイムライン、こうしたものの作成も広報誌の中に盛り込んで周知をさせていただいております。こうした活動によって、県民の皆様が日頃から家族で話し合って適切な防災行動を取ることができますように、啓発に力を入れているところです。
それから、教育ということで、まさしく小さい頃からの防災教育は非常に重要です。「釜石の奇跡」ということで、子供たちが高齢者を救ったという事例もありますので、防災教育にも力を入れておりまして、平成27年度に地震編の防災教育副読本を私が課長のときに作りまして、県内全ての小学生に配付して、学校の授業のみならず、各家庭に持ち帰ってもらって家族で防災対策を話し合ってもらう機会の創出に努めているところです。ただ、これは地震編しか作っておりませんでしたので、来年度、今度は激甚化する風水害編というのを新たに作りたいと考えておりまして、これを電子媒体で作りまして、1人1台端末を用いた授業などでも活用していただく、教育委員会とも連携して使ってもらう、家庭においてもこの電子副読本をダウンロードしてもらって家族での話合いに取り組んでいただくということで、教育委員会や市町などとも連携して一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
それから、地域防災の担い手となります県内の防災士につきましても、平成24年度から市町と連携いたしまして、資格の取得に関しまして御支援させていただいておりまして、この結果、直近の本年1月末現在でようやく3,000名を超えました。3,069名の方が防災士となっておりまして、ここ数年着実な増加を見せているという状況です。今後、予想されます南海トラフ地震などの大規模な災害に備えまして、防災士の継続的な育成は非常に重要であると考えておりまして、引き続き、今回当初予算でもお願いしております災害に強い香川づくり集中対策推進事業、こうした補助金を活用してもらって、防災士の育成支援に取り組んでいきたいと考えております。
来年度は、市町主催の防災養成講座を検討している団体もありますことから、市町から要望があれば、こうした取組への支援を県としても積極的に行わせていただきます。それから、引き続き香川大学の養成講座へ職員を派遣するということで、防災士のさらなる育成に取り組んで、災害に強い香川づくりを積極的に構築してまいりたいと考えております。
鏡原委員 ぜひ局長のその答弁の勢いのままやっていただければ非常にありがたいと思いますけれども、先ほど言われた子供たちの防災教育ですが、勉強するのはいいんですが、ぜひ家にそういった備蓄品があるかないか調べてこいといった家庭学習をするのは、親たちに「備蓄品を置いておかなければ」と情に訴えかけるのもどうかとは思いますけれども、先ほどありました防災教育副読本の風水害編を今度作って、家庭ではダウンロードしてもらうと。ダウンロードしてくれる人は別にダウンロードしなくても防災意識が高いんですけど、ダウンロードしない人に対していかにアクセスしていくのか、なかなか難しい問題というのは分かっています。ただ、常々そういうところを担当部局としてはぜひ考えていただければなと思っております。
コロナも災害の一つでありまして、その上に地震とか風水害のさらなる災害が重なると、被害は2倍にも3倍にもなってきますので、こんなときだからこそさらなる防災意識の醸成ということにぜひ努めていただければと強くお願いをして、次のサイバー犯罪の質問に移らせていただきたいと思います。
2問目は、サイバー犯罪への対応についてです。
令和4年度当初予算で、捜査員にサイバー犯罪等の事案対応に特化した民間研修を受講させ、重大な事案発生時に的確に対処するための知識、技術を習得させるために、「サイバー犯罪捜査能力強化事業」という事業が計上されています。
一昨年の決算行政評価特別委員会において私からサイバー犯罪への取組についてお伺いしたときに、サイバー犯罪については生活安全部生活環境課サイバー犯罪対策室が中核となって取組を進めており、併せてサイバー犯罪指定捜査員など約30名を指定して技術指導や事件指揮を行わせているとお伺いをいたしました。
また、全職員に対し部内検定の取得促進をはじめ研修や訓練を体系的に行っており、先進県への派遣、民間研修の受講等で高度なサイバー人材の育成に取り組んでいるともお伺いをいたしました。
そのような中で、今回新規事業として当該事業に取り組んでいくということでありますが、これまでの県警の取組とどのような違いがあるのか、また、どのような内容の研修を行おうとお考えなのか、お伺いをいたします。
山里警務部長 委員から御指摘いただきましたとおり、これまで県警察といたしましては、サイバー犯罪についてサイバー犯罪指定捜査員等が中核となって取り組んできております。サイバー人材の育成につきましては、民間研修の受講等により高度な知識、技術を有する職員を育成するとともに、部内検定の取得促進等によって職員全体の対処能力の向上に向けて取り組んでまいりました。
しかしながら、近年サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢となっております。県内でも複数の企業、団体がサイバー犯罪の被害を受けております。今後も対処が困難な重大サイバー事案が発生するおそれもありますことから、こうした事案への対処を視野に入れまして、令和4年度当初予算で計上させていただいたサイバー犯罪捜査能力強化事業におきましてはセキュリティー全般の知識や技術の習得にとどまらない、サイバー犯罪等の事案対応に特化した、より実践的な内容の研修を受講させることとしております。
研修の内容ですが、現在、サイバー犯罪指定捜査員等を対象とした2種類の研修を想定しておりまして、1つ目についてはインシデント発生時の初動の対応やログの解析手法等に関する演習形式の研修、2つ目についてはより高度な知識と技術が必要となるサイバー攻撃の手口の検証、検知・防御に関する技術を習得するための実践的な研修を受講させることとしております。
鏡原委員 今、警務部長からお答えいただきましたけれども、その中で、民間で研修をするわけでありますけれども、先ほど言った捜査にまつわるようなログの解析とかサーバーへのアクセスとか、そういう今言った捜査に関する部分について、それは民間研修で賄っていくことがそもそもできるのかどうかという点と、そういった点に関して基本的に警察庁とか警察全体としてそういった研修はこれまでも行われてきたとは思うんですけれども、そういったところとどういうような違いがあって今回そういう民間研修というのを選ばれたのかという点で、もしお答えできるようだったらお答えください。
山里警務部長 企業や団体等が被害を受けますウイルス感染事案ですとかDDoSの攻撃事案等につきましては、社会的な影響が大きいサイバー犯罪ですので、発生の直後から専門的な知識ですとか技術を持った捜査員を現場に投入して迅速、的確に初動の対応を行うということが重要になってまいります。
そこで、今御指摘いただいたような専門的知識、技術の部分ですけれども、初動対応に不可欠となってまいりますのは、御指摘いただいたような原因の調査ですとか証拠の保全、あとはログ解析等のスキルが必要不可欠になってまいります。こちらは、どこまで知識、技術が最低限求められるかどうかというのは犯罪の形態ですとか内容が多種多様ですので、一概に申し上げることはなかなか難しいんですけれども、一般論で申し上げれば、巧妙に隠されておりますサイバー犯罪の痕跡を見つけて犯人を追跡するというのは高い専門性と技術力を必要とします。他方で、おっしゃっていただいたように、これまでも、部内もそうですけれども、民間の研修も活用してこういった技術、スキルの習得に努めてまいったところではありますけれども、先ほどの御質問の中でも少し申し上げましたように、従前の中身だと全般的な知識とか技術にとどまっている部分が多くありましたので、より特化した実践的な技術というものを習得できるように、現状から申し上げると
民間事業者のほうが高度な技術、スキルを持っている部分が多いところもありますので、こちらの知見を活用しながら、高度化、複雑化するサイバー犯罪に的確に対処できる捜査員の育成に努めてまいりたいと考えているところです。
鏡原委員 分かりました。ただ、捜査員に対して、言ったらどこまでの知識とか技術を持たせる必要性があるのかというところが非常に重要と思っておりまして、日に日に進化をこのサイバー犯罪というのはしているんだろうと、手口というのはその年とかその時に応じて同じようなのかもしれませんけれども、全体を見たときに日に日に進化しているのではないかと思っておりまして、本来だったら専門的な知識を持った専門官を雇用していく必要性もあるのではないかと考えております。
そういった点も含めて、県警としてどのような認識の中で、今後、サイバー犯罪への対応を行っていこうと考えているのか、そういった雇用の部分も含めてお考えがあればお聞かせいただければと思います。
山里警務部長 今、委員から御指摘いただいたとおり、日々刻々と進化するサイバー空間の脅威に対応をしっかりしていくためには、優れた能力を持った専門官の採用も重要だと考えているところです。実際、県警では平成17年度以降、警察官
採用試験(
大学卒業程度)の中で、一般区分に加えて特別区分として情報処理という種別を設けているところです。こちら情報処理の名称については、令和2年度以降はサイバー犯罪捜査官という名称に変更をした種別として採用を行っているところです。採用者については、いずれも現在、サイバー犯罪捜査の中核要員として活躍をしてもらっているところです。
さらに、令和2年度からは経験者採用のほうもサイバー犯罪特別捜査官という区分で選考試験も実施しているところでありまして、引き続きこうした積極的な採用募集活動も推進しながら優秀な人材の確保に努めることが重要だと思っております。
いずれにしましても、サイバー犯罪への対応につきまして、組織の体制や
人材育成の強化についてしっかり図ってまいりたいと考えております。
鏡原委員 なかなかそういう人材がいない中で、何人かその枠で雇用ができているという実績はあるのでしょうか。
山里警務部長 今申し上げました平成17年度以降実施しておりますこの特別区分のほうで採用している人数については、現在まで3名採用しています。
もう一つ申し上げると、経験者採用については、令和2年度からということもありまして、まだ実績はありません。
鏡原委員 毎年来ているのかなと思いましたけれども、3名ということで、なかなかそういう技術のある人というのは民間なり自分が経営したりというような形で、県警の職員の給料では厳しいところもあるのかもしれませんけれども、そういった人材は警察庁のほうでも対策チームを設けるようになっているんですかね。法律が出ているみたいですけれども、そういった人材は部内で育てていくというのももちろん一つではありますけれども、元からそういった知識というか、そういう畑で勉強してきたような人たちを一定程度雇用するなりしていく必要性があるのと加えてなかなか難しいと思いますので、例えば管区とか、全体的に見たところの中で、捜査協力をいかにしていくのかというところも踏まえて、今後、迅速にそういった体制が、もし何か発生した場合にはできるような状態にしておく必要性もあるのかと思いますので、その点についてはぜひお考えをいただければと思います。
もう一点、サイバー防犯ボランティアに関してお伺いをしたいと思います。
私はこれまでにもこのサイバー防犯ボランティアの育成の必要性について申し上げてまいりましたけれども、昨年11月に香川県のサイバー犯罪を減らそうと香川大学の学生がボランティア団体SETOKUを結成されたという報道がありました。非常にありがたいことだと感じたところでありますけれども、この活動の現状とか今後の展開について、県警としてお話しできる部分があればお伺いをできればと思います。
濱野生活安全部長 県警察では、地元香川大学と令和2年3月、安全で安心な地域社会の実現に寄与することを目的とし、包括的な連携協力に関する協定を締結し、この協定に基づきまして、当面の取組として、深刻化するサイバー空間の脅威への対応を掲げ、最新の脅威情報やサイバー犯罪の情報を共有するほか、警察官の香川大学におけます専門講義の受講など
人材育成を通じました対処能力の向上を図るとともに、大学生によるサイバー防犯ボランティアの結成に向けた支援や広報啓発活動に取り組んでまいりましたところ、昨年11月、香川大学サイバー防犯ボランティアSETOKUが結成される運びとなりました。
結成後、SETOKUにおきましては、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター──通称JC3と呼ばれておりますが──からの技術支援を得ながらフィッシングサイトに対するテイクダウン活動や、セキュリティーベンダーであります
民間事業者から教材の提供等の協力を受けながら県内の小学生に対するインターネットセキュリティー教室を開催して正しいインターネット利用の啓発に取り組んでおります。また、令和4年度におきましては、保護者等に対するネットリテラシーの向上のための活動の支援にも取り組むこととしております。
県警察といたしましては、このように積極果敢にサイバーボランティア活動に取り組んでいるSETOKUが、今後、サイバー防犯ボランティアの中核となって様々なサイバー防犯ボランティアの拡充や活動の活性化が図られますよう、引き続き犯罪情勢に関する情報の提供や研修会を行うとともに、ボランティアの育成とその自主的な活動を支援するなど、産学官が連携しながら、県民の皆様がサイバー犯罪の被害に遭わない、安全なサイバー空間の実現を目指してまいりたいと考えております。
鏡原委員 ぜひ協力しながらやっていただきたいと思いますし、横にも連携をしていただきたいし、大学生は4年で卒業を基本的にはしていきますので、縦の連携もぜひ大学においてはしていく必要性があるんだろうと思いますので、そういった点も大学の方々と一緒に話し合いながら前を向いてやっていただければと思っております。
先ほども少し申し上げましたけれども、警察庁のほうでもサイバー警察局を設けて、逮捕権限のあるサイバー特別捜査隊を置こうということで、今国会に上程をしているとも聞いております。そういった動きもにらみつつ、県警も後れを取ることなく、その対応、対策に努めていただきたいと思っております。
それと最後、全く話は別ですけれども、先日の総務委員会の冒頭に警察本部長から御報告をいただいたとおり、不祥事等々が、警察だけではなくて教育委員会も多いのですが、そういったところへの対処というのは、これまで発生したときにもいろいろと県民の信頼を回復するためにやるとは言っているんですが、その後にまた、県民の信頼を回復しないといけない事案が続いていては、なかなか回復できませんので、特に、以前も申し上げましたけれども、そういった人を捕まえるのが警察の本来の役割ですので、ぜひそういった人を生まないようなきちっとした内部での統制を取っていただくことを最後1点付け加えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
米田委員 1点、食の安全を確保するために主体的に消費者行政をどのように展開をするのかについて、伺わせていただきたいと思います。
アサリの産地偽装がようやく取り上げられました。行われているのを知っていても見て見ぬふりをしてきた農林水産省の今になって大仰に記者会見をする姿に演技はやめてもらいたいと多くの方が憤ったのではないでしょうか。国民の命を守ってはくれないとの不信の目が国の所管省庁に向けられています。そのような中、せめて県の消費者行政だけでも私たちを守る立場に立ってと、防波堤の役割を担うことについて期待の声が寄せられております。
そんな中、今日は、アメリカとの関係でどんどん規制が撤廃されたり緩和されている問題について、懸念の声が高まっておりますから、その点について県の対策が十分かどうかについて伺いたいと思います。
2019年5月17日、アメリカはBSEの清浄国だとしてアメリカ産牛肉の月齢制限が撤廃されました。しかし、アメリカにおける実態は、検査率は非常に低いですし、危険部位の除去もおざなりだと聞いています。安全性が確認されないまま、人気の高い30か月以上の成牛の内臓系の肉もどんどん日本に入ってきております。また、日本では投与が認められていない乳がん細胞の増殖因子とされる成長ホルモン、エストロゲンの投与や、成長促進剤、ラクトパミンが混ざった餌を口にしている事実も確認されています。現に、輸入牛肉からエストロゲンが国産牛の600倍の値を検出したという札幌での報告もあります。では、オーストラリア産牛肉は大丈夫かといいますと、オーストラリアも、ホルモンフリー表示を義務づけているEU向けには投与いたしませんけれども、日本向けにはしっかり投与しているという現実があります。発がんリスクが指摘をされるrbST、遺伝子組換え牛成長ホルモンを投与された乳牛から搾った生乳を基にした乳製品も、アメリカからどんどん輸入されています。農薬の規制が緩められていることにも不安の声が寄せられています。ポストハーベスト、収穫後に農薬を散布する、アメリカでは小麦の刈取り前の散布は公然と行われています。輸入小麦を使ったパンからグリホサートが検出をされ、国会で行われた院内集会でも、頭髪検査をしたら多くの参加者の頭髪からグリホサートが検出をされるというような公表もありました。日本ではグリホサートの汚染が広がっています。
EUをはじめ世界中の消費者が不安の声を上げる中、今世界中でグリホサート、ネオニコチノイドの規制が強まっています。ところが、日本だけは輸入穀物の残留基準値を大幅に緩和し、消費者の不安を高めております。さらに、これまでジャガイモシストセンチュウが発生しているという理由から、アメリカ産生鮮ジャガイモは輸入を禁止してきましたけれども、農林水産省は2020年2月、ポテトチップ加工用生鮮ジャガイモの通年輸入解禁、さらに生食用ジャガイモの全面輸入解禁に向けた協議が進んでいる一方で、厚生労働省はポストハーベスト、収穫後の農薬散布として、動物実験で発がん性や神経毒性が指摘をされている殺菌剤、ジフェノコナゾールを農薬ではなく生鮮ジャガイモの防カビ剤だとして農薬から食品添加物への分類変更を行うとともに、その残留基準値を0.2ppmから4ppmに20倍の緩和も行いました。遺伝子組換えジャガイモも立て続けに承認、2021年4月には冷凍フライドポテトの関税も撤廃されています。日本のポテトチップスメーカーや多くの大手外食チェーンは、消費者の遺伝子組換えジャガイモへの拒否感を背景に、使うつもりはないと消費者団体の公開質問状には答えておりますが、人気商品のポテトチップスやフライドポテトに使用されているのではないかという消費者の懸念は広がっています。使用されていたら、消費者は外食をする際に、遺伝子組換えでないものをお願いしますとはなかなか選ぶことはできないのが実情です。
そこで、伺いたいと思います。
県は、消費者行政として消費者の安全を確保するため、関係機関が連携、協力し、消費者への情報提供、啓発の徹底や相談業務の充実を図るとともに、事案の早期把握に努め、法令に基づく指導、行政処分により被害の拡大防止を図ることになっています。
今まで申し上げましたように、次から次へとアメリカ国内やEUが禁止している食物が日本で出回るという問題、非常に難しい問題だとはお察しいたしますが、県民の安心を確保するためには県民の立場に立てるかどうか、覚悟が問われている仕事だと思います。今申し上げてきた事柄について、動向をつかんだり、あるいは
調査研究はされているのでしょうか。この問題にどのように取り組んでいるのか、現状を正直にお聞かせください。また、私は、科学的態度ということを貫くのであれば、指摘される危険性について少なくとも安全かどうか分からないのならば分からないと表明すべきと考えますが、考えをお聞かせください。
寺嶋危機管理総局長 委員御指摘のように、近年、BSE問題、残留農薬、食品添加物、遺伝子組換え食品の登場など、我々の食生活を取り巻く環境が大きく変化してきたことから、国において平成15年に食品安全基本法が制定され、我が国の食の安全を守るための仕組みが整備されました。この仕組みは大きく3つあります。1つはリスク評価、1つはリスク管理、もう一つはリスクコミュニケーション、こうした大きく3つの要素で構成されております。
1つ目のリスク評価につきましては、食品中に含まれる被害要因を摂取することにより、どれくらいの確率でどの程度人の健康への悪影響が起きるかを科学的に評価するもの。
2つ目のリスク管理につきましては、そのリスク評価の結果を踏まえ、リスクを低減するための科学的に妥当で適切な措置、例えば規格基準とか、こうしたものの設定等を実施するものです。
3つ目のリスクコミュニケーション、これにつきましては食品の安全性を向上させるリスク評価やこうしたリスク管理について、行政機関や消費者、生産者、食品事業者との間でそれぞれの立場から情報の共有や意見交換を行うものです。
これらの中で、特に安全性に関するリスク評価につきましては、委員から御指摘いただきましたように、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下、規制や指導等のリスク管理を行う厚生労働省や農林水産省といった行政機関からは独立して、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公平に食品の安全性に関するリスク評価を行うために、内閣府に食品安全委員会が設置されました。この委員会の中に、農薬や添加物、遺伝子組換え食品など16の分野ごとに専門調査会が設けられて、200名以上の専門委員による評価が行われると伺っております。
このように、食品に関する様々な安全性の問題に関しては、この食品安全委員会におきましてリスク評価を行い、その結果に基づいて厚生労働省や農林水産省、それから消費者庁が規制や指導等のリスク管理を実施するとともに、関係者間でそれぞれの立場から情報の共有や意見交換を行うリスクコミュニケーションが図られていると認識しております。
こうした中、県におきましても、県民の方々の食の安全・安心を確保する観点から、健康福祉部が中心となって食の安全・安心基本指針を策定いたしまして、その中で、生産、製造、加工、調理、流通、販売段階での監視指導の強化、食品表示の適正化、情報提供、意見交換の促進などを県の責務として定めており、先ほど御説明しました3つの大きな柱でいえば、リスク管理、それからリスクコミュニケーション、この2つにつきまして、関係部局が連携しながら県民の立場に立って毅然として業務遂行に努めているところです。
この中で、危機管理総局では、食品表示の適正化指導、いわゆるリスク管理、それから情報提供といったリスクコミュニケーションを主な業務としておりますけれども、この食の安全・安心施策の推進に関しましては所掌がお互い重なる部分が非常に多くあります。したがいまして、縦割りではなくて、健康福祉部や農政水産部、危機管理総局、こうした部局が緊密に連携しながら実施しているところです。
委員お尋ねの食品の安全性の
調査研究や評価判断などにつきましては、国の食品安全委員会の中で、専門的、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公平にリスク評価されるものと認識しております。
県といたしましては、県民の皆様の食の安全・安心を確保することは最も重要であると認識しておりまして、今後、より一層各部局と緊密に連携するとともに、国の動き等を注視しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
米田委員 申し上げておりますのは、この国の食品安全衛生に関する体制に不信の目が向けられているということです。ですから、今のお答えですと、国の体制の中で安全性が評価をされたものは、県としてはそのまま信用してそのようにしますという態度表明であったように受け止めます。そうでないというのならば、県民の立場に立ってということを強く強調されましたけれども、県独自で国と違った表明をしていることがあるとするのならば例示をしていただきたいと思います。
寺嶋危機管理総局長 食の安全性に関するリスク評価というのは、自治体単位で考えるものではなく、基本的には専門的、科学的知見に基づいて国の責任において判断されるべきものと考えております。
米田委員 県はそうかも分かりません。ただ、消費者行政あるいは消費者運動、国際的な動きを見てみますと、ヨーロッパしかり、あるいはアメリカにおいてしかり、何がこの国の規制を動かしたかといいますと、企業べったりといいますか、企業の主張を踏襲するような結果報告しかしないことについて異議申立てがあって、そしてその消費者の声が大きな影響力を持って規制強化に踏み出しているというのがヨーロッパあるいはアメリカの現状なわけです。ですから、今そのように強く今の態度を表明されたわけですけども、私はそれに納得することができませんので、ぜひもう一度、これまでの姿勢を、県としてそのような研究を深めるということはできないというのは承知をしています。できないのならば、でも日本の中で言われておることと海外でこれは危険だと言われていることというのがこの地球上には存在するわけですから、そのことだけは少なくとも消費者の方に提示をするというのが誠実な行政のスタンスではないかということを申し上げておきたいと思います。
次に、遺伝子組換え表示の厳格化への対応について伺います。
以下言う分は、今出された見解からすれば全部否定をされるのかも分かりませんけれども、申し上げます。
来年4月から、これまで5%以下の意図したものではない混入であれば「遺伝子組換えでない」と表示できたものが、厳格化の名の下に、不検出、実質的にはゼロ%、混ざってない状態でないと表示できなくなります。今の流通事情では微量の混入の可能性は拭えないと言われており、これまでどおり遺伝子組換えでないという表示をしてひょっと混ざっていたりという結果が出れば違法業者として摘発される、これではたまったものではない、多くの業者が表示をやめてしまうのではないかという懸念が広がっています。全ての強盗を防ぐことができないので、強盗を合法化しようという人はいません。しかし、この厳格化は、悪徳商法による被害の未然防止というより、悪徳商法をはびこらせる改正と言えるのではないでしょうか。何のための、誰のための厳格化かと言いたくなるような対応です。暗に遺伝子組換えでない表示をするなと圧力をかけているに等しい行為です。消費者が望む方向と逆行している今回の厳格化、消費者の選択権を狭めていることについて、県は、国に対して、消費者の立場に立つというのであれば、異議申立てをすべきと考えますが、部長の見解を求めます。
寺嶋危機管理総局長 遺伝子組換え食品の表示につきましては、平成27年度から国の定める食品表示基準におきまして、遺伝子組換えとの表示の義務づけや遺伝子組換えでないとの任意表示が規定されています。先ほど委員御指摘のとおり、来年4月1日から、大豆、トウモロコシ、それらを原材料とする加工食品、その3つにつきまして、任意表示について表示ルールが変更となる予定です。具体的に申し上げますと、これまでは適切に分別、生産、流通、管理をして意図しない遺伝子の組換え農産物の混入が5%以下であれば、それは遺伝子組換えでないとの表示が可能であった、ただそれが来年4月からは、それらが全く含まれてないという誤解を消費者に生じかねないということから、表示方法が改正されるものです。
改正後の新しいルールでは、適切に分別、生産、流通、管理をして遺伝子組換え農産物の混入が全くない、ゼロであると認められるもののみ遺伝子組換えでない旨の表示が許されるということになるものです。この表示ルールの改正に当たりましては、消費者庁によりますと、検討部会で10回にわたって消費者、事業者、生産者及び学識経験者の方々それぞれの御立場から御議論いただき、誤認防止や表示の正確性の担保、消費者の選択制の幅の拡大の観点から、遺伝子組換えでないとの表示が認められる条件を5%以下から不検出に引き上げるということが適当とされたと伺っております。
また、改正に当たりましては、平成30年、パブリックコメントを実施し、広く意見を聞いたとのことです。さらに、今回の改正に当たりましては、業者の対応にも十分配慮し、4年間の移行期間を設けたと伺っておりまして、この改正により消費者の方々に正しく情報が伝わり、消費者の方々の誤認防止や消費者の方々の選択の機会の拡大につながるものであると考えられております。
米田委員 間違いなく選択の機会を狭めると申し上げておきたいと思いますし、それが消費者の声であるということをぜひ再度お考えいただきたいと思います。
もう一つ、ゲノム編集技術応用食品への対応について伺います。
ゲノム編集技術応用食品が出回ることへの不安の声も拡大しています。ギャバが5倍といううたい文句のゲノム編集トマト、ゲノム編集のマダイ、トラフグと、植物以外のゲノム編集技術を実用したのは日本だけという状況の中で、前のめりにゲノム編集技術応用食品が日本で出回ろうとしています。問題は、国が遺伝子組換えでないと位置づけたことから、ゲノム編集されたものかどうか、これも消費者が自分で選ぶことすらかなわない状況が生まれているということです。欧州議会では、ゲノム編集技術の安全性が担保されたものとは言えないという評価になっていますが、日本ではそのようなゲノム編集に批判的な情報が得にくい状況です。県内でゲノム編集食品が出回るということは、イコール県民が実験台になるということを意味します。危機感を持つ消費者からは、「取り返しがつかない結果が出た場合責任を取れないでしょう、こんなことが許されていいはずがない、県民を実験台にするな」との訴えが寄せられています。
今のエビデンスではゲノム編集食品は安全でないと宣言すべきであると考えますが、見解を求めます。また、少なくとも遺伝子操作、ゲノム編集されたものがどこにあるか知る権利は保障されるべきであると考えますが、県当局の見解を求めますとともに、消費者の知る権利を保障するために国に向かって強く改善を求めるべきと考えます。11月議会一般質問で健康福祉部長が、国の対応を説明した上で、情報収集に努め、必要な対応を国に求めると答えておられますが、これまで県として何か動いた実績があるのか、今後どのように動かれるのか、その際、健康福祉部から消費者行政を預かるこちらの担当部署に相談があったのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
寺嶋危機管理総局長 ゲノム編集技術を利用して得られました食品には大きく分けて、外来遺伝子を組み込むことによって利用した技術が食品衛生法上の組換えDNA技術に該当するものと、外来遺伝子を利用せず組換え技術に該当しないという、この大きく2つあります。外来遺伝子が組み込まれた食品につきましては、これは国の安全性審査に関する手続を経まして、遺伝子組換え表示の対象となっております。ただ、外来遺伝子を利用していないゲノム編集技術応用食品につきましては、自然界で起こり得る突然変異とか、従来の品種改良技術でも起こり得るものとして、現時点では国においては安全性の審査や表示の義務づけの対象外としているという状況です。こうしたゲノム編集食品を含めまして、食品の安全性に関するリスク評価は、国において定められております。
また、消費者目線での表示に関してですが、国は消費者の選択に資する観点から、遺伝子組換え食品に該当しないゲノム編集技術応用食品、またはそれを原材料とする食品であることは明らかで、適切に情報提供がなされる場合には、事業者が自主的に表示を行うことは可能であり、厚生労働省に届出をされ厚生労働省のウェブサイトで公表されたゲノム編集技術応用食品、またはそれを原材料とする食品であることが明らかである場合には、積極的に情報提供するよう努めるべきとされています。
ただ、委員御指摘のとおり、ゲノム編集食品に不安を感じている消費者は実際おられます。そうしたことから、国においては消費者の不安に対応するため、厚生労働省、農林水産省、消費者庁が連携してリスクコミュニケーションや
調査研究を引き続き実施するとともに、新たな知見が得られた場合とか、海外における規制の検討状況に進展があった場合などには必要に応じて見直しを検討するとされておりまして、11月定例会の本会議一般質問で健康福祉部長が答弁した内容に関しまして改めて健康福祉部に確認しました。健康福祉部においては引き続き情報収集を行っているものの、国の動向等に特段の動きはないという状況でした。お互い情報共有はしております。
県といたしましては、引き続き国の動向に注視するとともに、今後、必要な対応が生じた場合には関係部局が緊密に連携してきっちりと国に求めてまいりたいと考えております。
米田委員 ぜひお願いしたいと思います。
最後に、消費者教育の現状と今後の進め方について伺います。
消費者行政のもう一つの役割に、消費者が自主的かつ合理的に行動できるよう、消費者市民社会の実現を掲げておられます。その自立を支援し、消費者教育を推進するとあります。簡単に言えば、賢い消費者を育てるということになりましょうか。そして、賢い消費者団体を育てるということにもなるのではないでしょうか。
昨年12月18日、台湾では、2021年1月に解禁した、冒頭に紹介しましたラクトパミン、餌に混ぜる成長促進剤ですけれども、ラクトパミンを使用した米国産豚肉輸入を再び禁止することについて賛否を問う住民投票が実施をされました。結果は否決をされましたが、消費者の主体的行動によってこの住民投票は実現をしたものです。日本ではほとんど話題にすらならずに流通をしているという現実、消費者の意識の違いを痛感させられております。